はじめに
上

 

tsukushi.png 魅力ある図書室をめざし、生徒が少しでも関心を高め、1冊でも多く貸し出しが増えるような図書室の運営を支援するため、パソコンを利用した「図書管理システムNoah2000 for WindowsXP」を開発しました。
 前任校である瀬戸北高校における「図書管理システム」は、私に始まるわけではありません。世にWindowsがまだない頃、つまりOSがMS-DOSのとき、データベースソフト「Let´sアイリス3.0」(パーソナルメディア梶jを用いて、加藤修教諭(愛知県立日進西高等学校)によりデータの入力が始められました。当時、「アイリス」により行なっていた業務は、蔵書データの入力とかなり時間のかかる検索および蔵書データと統合されていない貸出・返却処理だけでした。貸出の集計も行っていましたが、Lotus1-2-3を用いてまとめていました。

 パソコンへの入力もしなければならない、目録カードも手で書かなければならないなど、せっかくのパソコンがほとんどその役目を果たしていない現実をふまえ、データの有効利用・生徒との時間をより多く作りたいとの図書部の要請に応えるべく、「図書管理システム」の開発に取りかかりました。時はちょうどOSがMS-DOSからWindows3.1へと変わりつつある頃でした。MS-DOS上のデータベースソフトの定番である「桐Ver.5」(滑ヌ理工学研究所)も考えましたが、これからの時代を思うにOSはWindowsであろうと考え、そしてWindows上で動くデータベースソフトを探し、「Microsoft Access2.0」で構築することを決めました。

 Accessについては全く知りませんでしたが、桐でのプログラミング(一括処理)の知識と、Accessのマクロが日本語であったことで、割と簡単に取り付くことができました。Accessのバージョンが2.0から7に移り、Windowsも3.1から95へ、AccessがMicrosoft Office97の一部となってAccess97の名称を得ます。私の「図書管理システム」も少しずつバージョンアップを重ねつつ、より細かな処理に対応するため、マクロからVisual Basic for Applicationsを使ったイベントプロシージャへとそのプログラミングを変更しました。また、多くの機能を追加しつつ、より親切なソフトをめざして、ヘルプを付けました。Windowsは98が発売され、私の「図書管理システム」に「Noah」の名称をいただき、汎用性を高めることによって「図書管理システムNoah for Windows98」として発売に至りました。また、9クラスを超える学校にも対応するべく、「図書管理システムNoah+ for Windows98」を開発しました。さらに、Accessは完全なVisual Basic for Applicationsを身にまとい、Access2000として生まれ変わりました。「図書管理システムNoah for Windows98」もリニューアルし、蔵書データ入力をサポートする機能を追加して、ここに「図書管理システムNoah2000 for Windows98」として進化しました。

 「図書管理システムNoah2000 for Windows98」は、瀬戸北高校図書部との二人三脚で開発してきました。図書部の先生方には図書部の仕事を何も知らない私に適切な助言を与えつつ、勤務校が変わってからも常に励ましていただきました。ここにひとまずの完成を迎えたことは誠に感慨深く嬉しい限りです。田中伸治図書館長を始め、吉野三佐子さん、小松崎禎典さんほか図書部の先生方にこの場を借りて感謝の意を表します。

1999年11月吉日

追記
WindowsMEや Windows2000にも完全に対応し、「Noah」と「Noah+」を統合し、様々な新しい機能を追加して「図書管理システム Noah2000 for WindowsME/2000」と進化しました。WindowsXPに完全に対応し、「図書管理システム Noah2000 for WindowsXP」となりました。

2003年10月吉日

追記
OSはWindows7となり、Microsoft Office は2007から2010へとバージョンアップしました。Accessはファイル形式が2007から変更され新しくなり、Noahも内部構造を変更しなければならなくなりました。ここに「図書管理システム Noah2010 for Windows7」としてお送りします。Noahを採用していただいている約120数校の学校図書館に感謝します。

2012年3月吉日

追記
OSはWindows8から10となり、Microsoft Office は2013から2016、2019へと移行しました。また、Office365もあります。WindowsおよびAccessはほぼ64ビットのものに置き換わりました。国立国会図書館の全国書誌データを使って書誌データを取得する機能や自動バックアップの機能を追加した64ビットバージョンの「図書管理システム Noah2020 for Windows10」をお送りします。Noahを採用していただいている約140数校の学校図書館に心から感謝します。

2021年5月吉日